アムジェン株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:スザナ・ムルテイラ、以下「アムジェン」)は、本日10月20日の世界骨粗鬆症デーにあわせ、日本における骨粗鬆症治療のアンメット・メディカル・ニーズに対応する中長期プロジェクト「Project Galaxy」の最新の進捗を発表しました。今回の発表では、アムジェンが日本骨粗鬆症学会と連携し、骨折リスクの高い患者さんの早期診断・早期治療を推進するための新たな取り組みを示しました。
Project Galaxyは、わが国の骨粗鬆症による大腿骨近位部および椎体骨折の発生率を2030年までに50%削減することを目指しています。本プロジェクトでは、産官学の協働による多面的なアプローチを通じて、骨折リスクの高い患者さんを取り巻く医療環境の最適化に取り組んでいます。
アムジェン株式会社 執行役員 メディカル・アフェアーズ本部長 秋月玲子は次のように述べています。「世界骨粗鬆症デーを迎えるにあたり、私たちは引き続き、骨粗鬆症の診断および治療の最適化に尽力してまいります。Project Galaxy、そして日本骨粗鬆症学会との連携を通じて、多職種が連携した骨粗鬆症治療と患者さんの生活の質の向上に関する取り組みや、それに関連するエビデンスの構築を推進していきます。特に、早期の治療介入が必要な骨折リスクの高い患者さんの治療環境を改善し、『2030年までに大腿骨近位部および椎体骨折を半減』という目標の実現に向け、取り組みを加速してまいります。」
骨粗鬆症による骨折、特に大腿骨近位部および椎体骨折は、患者さんの生活の質(QOL)や生存率に大きな影響を与えることが知られています。日本では高齢化の進行に伴い、骨粗鬆症の早期発見と早期治療の重要性がますます高まっており、公衆衛生上の喫緊の課題となっています。
こうした中、2025年7月に「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」が10年ぶりに改訂されました。今回の改訂では、骨折リスクに基づく治療戦略とエビデンスに基づく治療アプローチの重要性が強調されており、Project Galaxyの設計理念とも合致する内容となっています。
日本骨粗鬆症学会との連携による2つの主要イニシアチブの進捗
2025年9月に開催された日本骨粗鬆症学会学術集会および学会公式ウェブサイトにおいて、アムジェンと同学会が共同で推進する2つの主要イニシアチブの進捗が発表されました。
JOINT (Japanese Osteoporosis Intervention trial)-08試験:試験概要の発表
日本骨粗鬆症学会の下部組織である骨粗鬆症至適療法(A-TOP)研究会とアムジェンが共同で実施する大規模前向き臨床試験「JOINT-08試験」の試験概要が発表されました。
本試験は、国内約200施設が参加予定で、骨折リスクの高い骨粗鬆症の外来患者さんを対象に、2025年改訂のガイドラインに準拠した治療を考慮し、骨折リエゾン・サービス(FLS)を含む骨粗鬆症リエゾン・サービス(OLS)を導入した集中的治療管理の有用性を検証します。
参加施設を「FLS-CARE施設」(日本骨粗鬆症学会認定医および骨粗鬆症マネージャー資格者が在籍し、リスク別治療に加えて体系的な患者教育や服薬支援などの治療管理を実施)と、「PCP-CARE施設」(医師の裁量に基づき標準的治療を継続)に二分化し、主要評価項目を12カ月時点の新規形態椎体骨折発生率、副次評価項目を24カ月時点の新規形態椎体骨折発生率として実施します。
JOINT-08試験は、日本で初めてOLS/FLSの有用性を大規模前向き臨床試験として検証するものであり、骨折の危険性の高い骨粗鬆症患者さんに対するエビデンスに基づく治療シーケンスの確立に向けた重要なステップとして期待されています。
アムジェン協賛 日本骨粗鬆症学会研究助成事業:初回採択課題の発表
日本骨粗鬆症学会は、アムジェン協賛のもと新たに設立した研究助成事業における初回の採択課題を発表しました。
本プログラムは、骨粗鬆症に関する臨床研究およびOLS関連研究を支援し、有意義な成果の創出と若手研究者の育成を目的としています。採択課題は以下の3区分で募集されました。
採択課題の詳細は、日本骨粗鬆症学会の公式ウェブサイトで公開されています。
本助成事業は、データに基づく骨粗鬆症ケアの推進と、将来の研究基盤の強化に向けたアムジェンと学会の共同コミットメントを示す取り組みです。
骨粗鬆症による脆弱性骨折について
世界的に、50歳以上の女性の3人に1人、男性の5人に1人が生涯で骨粗鬆症による脆弱性骨折を経験すると推定されており、高齢化に伴いその数はさらに増加すると見込まれています。椎体骨折や大腿骨近位部骨折は日常生活に大きな影響を与え、QOLを低下させ、救急を含む受診機会の増加や医療費の増大につながります1。また、大腿骨近位部骨折を経験した患者さんの生存率は一般人口に比べ低いことが報告されています2。
日本においては、入院を要する主要骨粗鬆症性骨折(椎体骨折または大腿骨近位部骨折)を受傷した骨粗鬆症患者さんのうち、退院後1年以内に骨粗鬆症治療薬が投与されているのは21.1%に過ぎません3。脆弱性骨折は介護や寝たきりの主要因の一つでもあり、2018年の骨折・転倒による介護サービス負担は1.9~2.8兆円と試算され、そのうち家族の負担は0.8~1.7兆円に上り最大の割合を占めています4。椎体骨折や大腿骨近位部骨折に起因する要介護患者さんの介護者の離職や転職率は高く、生産性損失は週平均4万円以上、年間200万円超と推定されています。介護世帯の約40%が年収600万円未満であることから、極めて大きな社会経済的影響をもたらしています5。
アムジェン株式会社とアステラス製薬株式会社は、患者さんやご家族のための情報源として疾患啓発ウェブサイト(https://www.fightthefracture.jp/)を提供しており、骨折リスクチェックツールなどをご活用いただけます。
アムジェン株式会社について
アムジェン株式会社は、世界最大規模の独立バイオテクノロジー企業である米国アムジェン社の日本法人です。アムジェン株式会社では、循環器疾患、がん、骨疾患、炎症・免疫性疾患、神経疾患、希少疾患を始めとするアンメット・メディカル・ニーズが高い領域に焦点を絞り、「To serve patients – 患者さんのために、今できるすべてを」というミッションのもと、臨床開発から販売までの活動を行っています。詳細については https://www.amgen.co.jp/ をご覧になるか、https://www.facebook.com/amgenjapan をフォローしてください。
注意事項(アムジェン株式会社)
このニュースリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的とするものではありません。
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この件に関するお問い合わせ先
アムジェン株式会社(東京)
コーポレート・アフェアーズ
jpto-mediarelationsgroup@amgen.com
References