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第4回バイオ医薬EXPO
三好 出 執行役員が基調講演

〜新時代の医薬品創製に向けたアムジェンの研究開発戦略を語る〜

11月25日、千葉市の幕張メッセで開催された第4回バイオ医薬EXPO(主催:リード エグジビション ジャパン株式会社)において、「グローバルバイオファーマが語るバイオ医薬品の開発戦略」をテーマに、アムジェン株式会社 研究開発本部長の三好出 執行役員が基調講演を行いました。医療・製薬業界の専門家の聴衆を前に、新時代の医薬品創製に向けたアムジェンの研究開発戦略について説明しました。

アムジェンの研究開発部門は「To serve patients〜患者さんのために、今できるすべてを」というミッションを果たすために、可能な限り多くの患者さんのニーズに応えるべく、死亡や障害の主な原因に対する革新的な医薬品の発見、開発、提供を目指しています。三好は、創業からのアムジェンの歴史をひも解き、フクェン・リンによるエリスロポエチン遺伝子の検出とクローニング、Micromet社買収によるBiTE®技術プラットフォームの確立、ヒト遺伝子解析の世界的リーダーの一社であるデコード・ジェネティクス社の買収など、アムジェンの方向性を決定づける出来事について紹介。「今日、アムジェンの3つの強みである高いレベルのヒト遺伝学、バイオロジーに基づく標的・経路への深い理解、適切な標的に適切な薬を設計するための分子工学の高い専門性によって、さまざまなモダリティの創薬が進められている」と話し、それぞれの強みについて解説しました。

ヒト遺伝学については、デコード社(本社:アイスランド)が、ヒト遺伝子分析とヘルスレコードや家系分析を合わせて比較することで薬剤標的の特定と検証に取り組んできました。「同社が設立された1996年当時は、無謀な試みと言われたが、今ではナショナルゲノムレジストリの雛形になっている」と三好は説明しました。同社の新型コロナウイルス感染症への対応では、アイスランドで4月までにリスクの高い1万人をスクリーニング、その中から600人強からウイルスのサンプルを得て、ウイルスの配列を決め、侵入経路や拡散経路を明らかに。また、9月までに3万人の血漿をサンプルにして抗体を調べ、抗体が数ヶ月単位で続くことを明らかにしています。三好は、「デコード社買収によって、アムジェンは、ジェノタイプ、フェノタイプの分析能力を得た」と話し、マルチオミックスの中にプロテオミクスを加え、スケールとテクノロジーへの拡張を進め、パイプライン全体への適用拡大を目指す姿勢を紹介しました。

バイオロジーに基づく標的・経路への深い理解では、アムジェンがヒトのどの遺伝子が薬剤標的をコードしているかを突き止めることによって、循環器疾患や骨疾患に対する革新的な製品を生み出してきたことを解説しました。

分子工学の専門性では、アムジェンの方向性について、バイオロジー・ファーストによるモダリティの決定、誘導近接プラットフォーム、DNA符号化ライブラリによってスクリニーングのプラットフォームを作ることの3点について説明しました。モダリティの例では、BiTE®プラットフォームのメカニズムや初のBiTE製剤について紹介。将来の創薬プラットフォームとして期待される誘導近接プラットフォームでは「現在は医薬品デザインにおけるイノベーションの第4の波、多重特異性抗体による薬剤設計が進んでいる」と指摘し、さらにアムジェンの研究部門では低分子化合物によって生体内の機能分子とターゲット分子を近接させて効果を得る新しいプラットフォームの確立によって、「現在のアプローチでは15%の生体内のタンパク分子にアクセスできないが残り85%にもアクセスできるようになる」との見通しを示しました。また、スクリニーングでは、小分子にDNAをタグ化して付ける技術を持つアムジェン・リサーチ・コペンハーゲンで開発を進めるDNA符号化ライブラリについて紹介し、「誘導近接プラットフォームとDNAによってコード化されたライブラリーによるスクリーニングが新薬開発のパラダイムを変える」と話しました。

最後に、発症した病気を治すモデルから「予見と予防」のモデルへの転換を進めていくアムジェンの姿勢について解説し、三好は講演を締め括りました。