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アムジェン株式会社 馬場 継 スペシャリティケア事業本部長に聞く
バイオ医薬品企業の事業戦略と求められる医薬品情報提供活動のあり方

2020年4月、米アムジェンの日本における完全子会社として発足したアムジェン株式会社。革新的なバイオ医薬品を日本の患者さんに届けるべく挑戦を続けています。同社の事業戦略について、スペシャリティケア事業本部長の馬場 継氏に話を聞きました。(アムジェン株式会社 広報)

アムジェン株式会社
執行役員 スペシャリティケア事業本部長
馬場 継

To serve patients
患者さんのために、今できるすべてのことに取り組んでいく

――アムジェンの企業としての特色をお聞かせください。

アムジェン株式会社は、世界最大規模の独立系バイオ医薬品企業である米アムジェンの日本法人です。アムジェンは1980年、米国カリフォルニア州ロサンゼルス近郊にて創業しました。当時黎明期だったバイオテクノロジーを患者さんのために役立てることを決意し、試行錯誤と探求を重ねてきました。40年を経た現在は、循環器疾患、がん、骨疾患、神経疾患、腎疾患、炎症性疾患の6つの疾患領域に重点を置き、アンメット・メディカルニーズに応える製品開発を進めており、これまでに開発した製品の70%以上がファースト・イン・クラスの製品となっています。私たちが掲げるミッション「To serve patients - 患者さんのために、今できるすべてを」は、世界中の22,000人の従業員全員にとって日々の活動と判断の指針となっています。

新薬開発のパラダイムシフトをリードする

――アムジェンの研究開発の強み、将来性は。

アムジェンの「バイオロジー・ファースト」の発想は、医薬品のタイプや治療手段など方法論の検討よりも、疾患の複雑な分子的経路を解明することを優先しています。私たちの3つの強みである、高い科学レベルのヒト遺伝学、バイオロジーに基づく標的・経路への深い理解、適切な標的に適切な薬を設計するための分子工学の高い専門性によって、さまざまなモダリティの創薬が進められています。

アムジェンは、医薬品デザインにおけるイノベーションの第4の波、多重特異性抗体による薬剤設計を今後加速させていきます。研究部門では低分子化合物によって生体内の機能分子とターゲット分子を近接させて効果を得るプラットフォームの確立を目指しています。従来のアプローチでは生体内のタンパク分子の15%にしかアクセスできていません。しかし、新しいプラットフォームにより、残り85%にもアクセスすることが可能になります。アムジェンは、新薬開発のパラダイムシフトをリードしていきたいと考えています。また、アムジェンは、持続可能な医療制度の観点に立ち、発症した病気を治すモデルから「予見と予防」モデルへの転換を推進しています。

バイオ医薬品4製品を国内展開
新製品も承認申請中

――日本における製品パイプラインの現状は。

アムジェンは、日本において、現時点で、循環器疾患領域、骨疾患領域、炎症・免疫性疾患領域、がん領域で活動しています。私の担当するスペシャリティケア事業本部の主な対象は、循環器疾患と骨疾患ですが、このほど、日本における新たな疾患領域として、神経疾患領域、具体的には片頭痛を対象とした治療薬を規制当局に承認申請しました。アムジェンの製品開発は、どの分野においても、アンメット・メディカルニーズが高いエリアにフォーカスしています。

デジタルなどマルチチャネルとのシームレスな連携、患者さん中心の症例ディスカッションができるMRを育成

――アムジェンが目指すMRによる情報提供活動のあり方について教えてください。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりデジタルコミュニケーションへのシフトが一気に加速し、情報提供のあり方も変化、新たな顧客とのエンゲージメントモデルと、それを実行する能力・機能が必要です。市場調査やデータ解析により、対面とデジタルを活用したリモートコミュニケーション、あるいはその併用を好まれる顧客の嗜好性が分かってきました。また安全性や有効性など情報の中身によっても望まれるチャネルが違います。そうしたものを考慮し、MRとデジタルがシームレスに統合されたカスタマーエンゲージメントモデルを構築し、顧客が求めるタイミング、方法でのコミュニケーションを可能にするとともに、患者さんが期待する治療成果、つまり患者アウトカムを改善するための新たな治療方針の提案を通じて、患者中心の医療の実現を支援できるMRが必要です。

アムジェンはスペシャリティ領域で一層の存在感を発揮する

――スペシャリティケア事業本部の今後のビジョンをどう描いていますか。

私たちは創業以来、非常に革新的な治療薬を世に送りだし続けていますが、これらの治療薬は適切な医療体制、制度の下で、適切な患者さんに届き、適切に使用されてこそ、その価値を最大限示すことになります。逆説的に言い換えれば、優れた治療薬の薬事承認を取得し、販売するだけでは、適切な患者さんに行き届き、患者さんの期待される治療成果、つまりアウトカムが最大限に改善されることはないということです。 事例は枚挙にいとまがありませんが、例えば、超高齢社会の日本で課題視される骨粗鬆症のケースを取り上げてみましょう。現在、大腿骨近位部骨折後1年間の骨粗鬆症治療率は現状わずか20%にとどまります。その背景には、骨粗鬆症健診の実施率、疾患教育、骨折後ケアの体制等の課題が存在します。私たちは2019年よりこの領域で活動を開始していますが、製薬企業から医師への情報提供活動の量や質が向上するだけでは、この課題を大幅に改善することは難しいでしょう。本来骨粗鬆症患者さんが自分らしく生き生きと人生を送るというアウトカムは十分改善されず、骨折は高齢者の寝たきりの主因の一つとして悪名高く残ったままであり、財政面での介護費用の増大や、そのケアスタッフ、ご家族の介護負担、介護のための離職率増加などの社会的な問題は未だ解決されていません。その問題意識に基づけば、おのずと私たちの目指す目標は明確になります。骨粗鬆症患者さんの骨折リスクを予見し予防する体制をパートナーと共に築き、患者アウトカム向上の実現を目指す。社会的価値を提供するということです。「患者中心」の医療の実現、患者さんや医療従事者、社会への付加価値の提供、医療体制の最適化に取り組むということです。重要なポイントは私たち製薬会社だけで行うモデルではないということです。私たち自身の変革はもちろんですが、それだけでなく、医療界の中に存在する、医師などの各種医療従事者、学会、政府、地方自治体、新たなテクノロジーを有するサービス提供者など、多くのステークホルダーと新たなパートナーシップを構築し、医療提供体制を整備することができるモデルが必要です。これは言うまでもなく、私たちのミッションである「To serve patients - 患者さんのために、今できるすべてを」そのものであり、アムジェンらしいモデルだと思います。アムジェンは、患者さんのアウトカムを変え、社会的課題を解決し、患者さんおよび社会に価値をもたらすことができる真のイノベーションを有しているからこそ、このモデルを目指すことができる。社員一丸となって、アムジェンの新しいモデル、未来を創っていきたいと考えています。

アムジェン株式会社 スペシャリティ事業本部ではMRを募集しています。採用に関する情報は下記ページへアクセスしてください
https://amgen.co.jp/about/career